Chapter26 かやぶきの里について4
かやぶきの里について4
それから組織を「ふるさと村組合」に移行していく。平成3年に竹下登首相が「ふるさと創生1億円」というのを自治体に配ったんだよ。
2年くらいの間、それは平等政策ではなくてやる気のあるところを支援するという方向に初めて国が変わった。
その時に1億円配ったのとは別枠に「ふるさと特別対策事業」というのがあった。
当時の高柳の永井町長がそのお金を使って荻ノ島をなんとかしたいと考えた。
しかし1つの集落だけ肩入れすると議会が面倒くさいから、もう1つ門出もかぶせちゃえという話になって(笑)
門出と荻ノ島だけ1億で立案することになった。
当時企画課の春日俊雄さんから1億の予算内で荻ノ島はかやぶきのことをやるが、そっちはどうやるかと話があった。
門出の「豊かな村作りの会」というのが前からあったんだけど、その会に1億をどう使うか審議してもらうことになった。
それで公民会に20人くらい何回か集まったなかで、どうせならかやぶきやっているんだからそこにもう1棟建てたり、そこを拠点としたものをやればいいじゃないかという意見が出てきた。
かやぶきはどういう組織にするかということや、どういう建物にするかという建設部会と組織を考える部会ができた。
組織は法人にするか任意団体にするかで考えたけど、結局法人が一番良いんだけど1口5万円出資してもらわないといけない。
そうすると1万円なら仲間になるけど5万円はね、という人が圧倒的に多いからやっぱり任意組織でやろうと決めた。
そして1口1万円から出発するという今の骨格ができた。
そして募集したら191万円集まった。
門出の半数ぐらいの人が名前を連ねてくれて、そして「門出ふるさと村組合」というのが発足した。
「ふるさと村組合」は最初の組合長が郵便局をずっとやっていた八代保治さんであの人のおかげで本当に助かった。
副組合長が自分と中村直平さんで出発した。
2人とも人生のスペシャリストでやる気まんまんで。
お客さんの対応も真からの心でとてもよかった。
でも当時、門出で飲食店をやっていた「門出観光会館」さんと公民館のとこにあった「三得庵」さんという旅館兼食堂。
その隣に「スナック田屋」さんがあって、今ガソリンスタンドやってる天王山という温泉旅館もあった。
「三得庵」は俺たちはずっと青年団の頃から世話になっていたところ。
朝まで飲んでるとそこの人はみんな寝てるんだよ。
それで空ビン数えて後で請求書が来るということができる気楽な飲み屋。
富山の薬屋がよく利用する旅館兼食堂だった
そういったところから俺は警戒されているのではないかと気をつかった。
かやぶきにお客を取られるのではないかというのがあって、一番気を使ったのがその同業者に対するもの。
3人で決めたことは地域内のお客は取らない。
高柳町外からのお客を取ると。
でもそれも3、4年やると結果的には高柳からのお客はなしでもやっていけた。
時間の経過とともに商売をやってる地域の人にとっても、かやぶきが邪魔なものではないというのがわかってきたり、何年かかかってみんなから少しずつ認知されていったんだよ。
門出かやぶきの里
〒945-1513 新潟県柏崎市高柳町門出5237
TEL 0257-41-3370(門出ふるさと村組合)
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